2011年度

第43回セミナー

テーマ参加型臨床実習を実現するために
講師⼤⻄ 弘⾼ (東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 講師)
日時2012年3⽉14⽇(⽔) 18時00分〜19時30分
概要モデル・コア・カリキュラムが策定されて10年以上が経過した.⽇本の各医学部の卒業⽣が⽶国への臨床留学を実現するためには,2023年以降,各医学部が国際認証を受けていなければならなくなった.この国際認証の最⼤のハードルが,参加型臨床実習の実質化であろうと⾔われ,現在の医学部教育改⾰の⼀番の目⽟になりつつある.今回の講演では,参加型臨床実習を実現するためのポイントを,特に組織運営という観点から述べたい.
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第42回セミナー

テーマ医療⾯接の評価法︓ 医療コミュニケーション研究からの⽰唆
講師⽯川 ひろの(東京⼤学⼤学院医学系研究科公共健康医学専攻 医療コミュニケーション学分野 准教授)
日時2012年2⽉29⽇(⽔) 18時00分〜19時30分
概要医師のコミュニケーション能⼒に対する社会的な関⼼が⾼まる中、多くの医学部で医療⾯接に関する講義や実習、実技試験が⾏われるようになってきた。診療場⾯におけるコミュニケーションは、患者の健康状態や健康⾏動、医療訴訟の企図など様々なアウトカムに影響を与えることが知られている。コミュニケーションという客観的・数量的に把握しにくい事象をどのように評価し、分析するのか。医療⾯接教育の根拠を作ってきたこれらの研究で⽤いられてきた代表的な評価・分析⽅法を紹介し、臨床および教育への⽰唆を考える。
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第41回セミナー

テーマチーム医療の推進について
講師坂本すが先⽣(公益社団法⼈⽇本看護協会 会⻑)
日時2012年1⽉17⽇(⽕) 18時00分〜19時30分
概要これからの少⼦⾼齢多死社会の到来は、医療のあり⽅に⼤きな影響を及ぼす。⼤きく変化する社会のニーズに現状の体制で応えられるのか、その答えは否である。増⼤するニーズに対し、提供機関間も従事者間も機能分化と連携も強⼒の進めなくてはならないだろう。その⽅策の1つがチーム医療であり、各職種が専門性を向上させた上で連携をはかることが求められている。安全で効率的・効果的な医療を⾏うためのチーム医療や専門職の役割発揮のあり⽅について、看護の⽴場から論じたい。
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第40回セミナー

テーマ医学教育部門専任教員としての働き⽅ 〜実践と科学と政策と~
講師錦織 宏(東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 講師)
日時2011年12⽉20⽇(⽕) 18時00分〜19時30分
概要近年の卒前・卒後医学教育の変⾰に伴って、全国の⼤学や臨床研修病院で医学教育を専門とする部門が次々に設⽴された。しかしながら、医学教育に関する教育/研修を受けた経験の少ない教員が就任することも多く、業務のあり⽅や部門の発展の戦略に苦慮しているという場⾯も散⾒する。今回は、英国で医学教育学修⼠を取得した後、東京⼤学の医学教育部門に4年間勤務した演者が異動する機会に、在任中の経験の振り返りと医学教育部門のあり⽅に関する科学的根拠を提⽰して、医学教育部門専任教員としての働き⽅を考える。聴衆との建設的な議論も期待している。
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第39回セミナー

テーマ臨床推論の評価︓これまでの取り組み,現状のアプローチ,今後の⽅向性
講師クラレンス・クライター
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 特任教授
⽶国 アイオワ⼤学医学部 家庭医療学・医学教育研究⽀援室 教授
日時2011年11⽉11⽇(⾦) 18時00分〜19時30分
概要学⽣の臨床推論能⼒に対する信頼性・妥当性のある評価⽅法は,医学教育において重要な機能を果たすことが明らかである.しかし,現状の評価⽅法は,臨床推論能⼒を評価するために適切な妥当性を有していないと多くの教員が感じている.本講演では,臨床推論評価のこれまでの取り組みについて述べ,今後テスト作成をどのようにすればベストなのかを考えてみたい.
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第38回セミナー

テーマ医学部入学者選抜における判断を理解する:面接、入試委員会の役割と経済的なモデル
講師クラレンス・クライター
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 特任教授
⽶国 アイオワ⼤学医学部 家庭医療学・医学教育研究⽀援室 教授
日時2011年10⽉7⽇(⾦) 18時00分〜19時30分
概要医学部⼊学者を選抜するためには,いくつかの判断が⽤いられる.研究により,⾯接,Multiple-mini interview(MMI – OSCEのように数個以上のステーションからなる⼊試⾯接),⼊試委員会の貢献度に関するエビデンスについて結論が得られてきた.⼊試に関する研究の多くが,選抜プロセスに⽤いられる測定⼿法の信頼性・妥当性に焦点を当ててきたが,最終決断が究極的に重要である.志願者の情報をどのように最終決断に⽤いているかは,重要だが軽視されてきた質問であろう.⽂献レビューにより,志願者を⼊学させるための決断にどのようなインパクトが与えられてきたかに関して,よりよい理解がなされるであろう.多くの医学部において主観的な判断が好まれる理由を考え,さらに重要な疑問点を我々は指摘するつもりである.そして,⼊学者選抜において⼊試委員会の貢献度を量的に測定しやすくするための妥当性に関する研究デザインを⽰したい.
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第37回セミナー

テーマ医学教育における評価概要―学⽣の学習に対する評価のインパクト
講師クラレンス・クライター
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 特任教授
⽶国 アイオワ⼤学医学部 家庭医療学・医学教育研究⽀援室 教授
日時2011年9⽉14⽇(⽔) 18時00分〜19時30分
概要医学教育が⻑年評価を強調してきたことを考えると、テストに対して我々が当てている焦点が意味があるかどうか評価することは妥当だろう。 この研究の目的は、教育評価を通じ て獲得される学習の利得を上⼿く説明することである。評価は3つの形で学習に影響を与える。テストの直接効果は,テスト内容に関し受験者が⻑期に保持できることであり,テストの本質的な影響の⼀部として起こる記憶の改善を反映する。間接効果として,学習者に外発的に作⽤し,理解度を説明できるようにすることによって,学習者を動機づける。
選抜の効果は、能⼒試験の利⽤に起因する利得、そして最も優れた応募者を選抜するための学⼒測定として観察される。この研究では、
効果量 [ d = ( Mean1 – Mean 2 ) / SDPooled ]
を算出するために、3つのメタアナリシスの要約を使⽤する。
テストに起因する潜在的学習利得の総合的な量的指標を得るために、3つの平均効果量 (dbar) を計算に組み込み、以下のような単純で、付加的な効果量モデルを⽤いた。
全効果量 = 直接平均効果量 + 間接平均効果量 + 選抜平均効果量
この結果は、我々の医学部における評価の影響を理解し、測定することに役⽴つ。結果は研究者、様々な決定、医学教育における⾰新や介⼊を形作っていく教育政策の専門家のために有⽤であることを⽰したい。
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第36回セミナー

テーマテーマチーム医療とは何ですか︖何ができるとよいですか︖
-エビデンスに基づいたチームトレーニング︓チームSTEPPS
講師種⽥ 憲⼀郎 先⽣
国⽴保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部、上席主任研究官
日時2011年7⽉28⽇(⽊) 18:00-19:30
概要「チーム医療」という⾔葉が使われて久しいですが、近年、さらにその重要性が強調されています。医療が複数の医療従事者と患者・家族の協働によって⽀えられ、そのチーム⼒を⾼めることは安全で質の⾼い医療の推進には必要不可⽋です。しかしながら、私達はこれまで「チーム医療」を実践するために体系的な学びはしてこなかったのではないでしょうか。また、皆がただ集まっただけでは「チーム医療」の実践は困難であることを、多くの医療事故が⽰唆しています。「チームSTEPPS」は、⽶国国防総省と⽶国医療研究品質局の協⼒で開発され、科学的エビデンスに基づいた、医療の質・患者安全向上のためのチームワーク・システムです。今回のセミナーでは演習等を通して、あらためて「チーム医療」とは何かを皆様と⼀緒に考える機会にしたいと思います。
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第35回セミナー

テーマ医学教育研究におけるアクション・リサーチ〜教育の実践を研究論⽂にして世界に発信〜
講師錦織 宏
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 講師
日時2011年6⽉21⽇(⽕) 18:00-19:30
概要医学教育研究の⼿法の⼀つにアクション・リサーチがある。
「実践とその分析を結び付けて⼀つのものにし、絶えず発展し続ける
という連続性の中で、専門性の⾼い経験を探求していく⼿段」と定義 されるこの研究⼿法は、経験知を理論化することのできる⼀つの⼿段とされている。また第21回の本セミナー「医学教育と医学教育学」で述べた、研究と実践のギャップを埋めることのできる⼀つの研究⼿法でもある。
本セミナーでは、アクション・リサーチの概要やそれが実践にとどまらないための条件について、国際誌に掲載された演者の医学 教育研究論⽂を実例として取り上げながら、私⾒も交えて提⽰する。また時間が許せば、この研究⼿法の背景となる科学哲学や教育研究以外の医学研究への応⽤に関しても踏み込んで、参加者と議論してみたい。
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第34回セミナー

テーマ新臨床研修制度の評価︓私⾒とその後の発展に
講師北村 聖
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 教授
日時2011年5⽉27⽇(⾦) 18:00-19:30
概要平成16年度から医師卒後臨床研修制度が⼤きく変わった。努⼒義務であったものが必修となり、多くはストレート研修であったものがスーパーローテーションに変わった。その際、医師不⾜や地域の偏在など多くの社会問題の引き⾦になったという論調もある。昨年度厚⽣科学研究(班⻑桐野⾼明先⽣)の⼀環として、この制度のアウトカムである若⼿研究者を対象とした研修制度の評価を⾏った。
これらの結果を踏まえ、私的に臨床研修制度を評価したい。さらに今後の研修制度、専門医制度などを俯瞰してみる。
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第33回セミナー

テーマ客観性のある臨床技能評価とは︓医師国家試験改⾰への展望
講師⼤⻄弘⾼
東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 講師
日時2011年4⽉28⽇(⽔) 18時00分〜19時30分
概要医師法第9条は、「医師国家試験は、臨床上必要な医学及び公衆衛⽣に関して、医師として具有すべき知識及び技能について、これを⾏う。」と謳っているが、現状の医師国家試験が技能を評価できているかは甚だしく疑問である。 どのような点が課題になるのか、⽶国や韓国など臨床技能評価を採り⼊れた国々はどう対処したのかといった点を包括的に論じ、今後の展望を明らかにしたい。
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