第52回セミナー
テーマ | 東京⼤学の卒前医学教育に対する評価︓イヌイ報告からの振り返り |
講師 | ジェフリー・ウォン先⽣ (⽶国サウスカロライナ医科⼤学教授、平成24年度東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター特任教授) |
日時 | 2013年3⽉28⽇(⽊) 17時30分〜19時00分 |
概要 | 2013年4⽉付で、東京⼤学医学教育国際協⼒研究センターは改組の予定である。ここで、東⼤の卒前医学教育を振り返ることが必要であろう。最初の客員教授であり改⾰委員会を率いたThomas Inui先⽣は改⾰を試み、委員会は教育改善に対する提⾔を⾏った。私の半年の滞在中に、その改⾰の結果を認めることができた。⾃分の洞察内容を補強し、卒前教育の現状に対する公平で妥当な記述を⾏うため、私は教員や学⽣に対してフォーカスグループのインタビューを実施した。 この講演では、現状の卒前カリキュラムに関して情報を提供する。また、Inui報告の評価や推奨内容について、議論を⾏う。さらに、Inui報告と関連させつつフォーカスグループで得られた内容について報告し、個⼈的に気づいた点、今後の改善や認証評価の⽅向性に関する提⾔と共に結論を述べたい。 |
資料 | ポスター、スライド |
第51回セミナー
テーマ | 医学部の認証評価︓⽶国LCMEの認証評価を受けて学んだこと |
講師 | ジェフリー・ウォン先⽣ (⽶国サウスカロライナ医科⼤学教授、平成24年度東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター特任教授) |
日時 | 2013年2⽉28⽇(⽊) 18時00分〜19時30分 |
概要 | ECFMG認定に応募する医師は、2023年より認証評価を受けた医学部を卒業していることが求められると、2010年9⽉⽶国ECFMG(Educational Council on Foreign MedicalGraduates)は発表した。この条件を満たすには、卒業⼤学が⽶国LCME(Liaison Committee on Medical Education)などの世界医学教育連盟(WFME︓World Federation for Medical Education)が認めた基準を⽤いた公式なプロセスによって認証評価されていなければならない。現在、世界各国の医学教育者は、将来の認証評価システムの構築に向けて作業を進めている。 この講演では、最初に⽶国医学校の認証評価プロセスの歴史について簡単に述べる。次いで、LCMEの認証評価および再認証について、定期的な現地査察の準備や実際の査察を含め、実践的な苦労話を⼊れた内容に触れる。最後に、LCMEのプロセス、WFMEの戦略との関係、⽇本や他の国の医学部がECFMGによる期限までの今後10年の間に直⾯する可能性のある課題について私⾒を述べたい。 |
資料 | ポスター、スライド 講演ビデオ |
第50回セミナー
テーマ | USMLE Step 2 CS – ⽶国医師国家試験での臨床スキル評価 |
講師 | 〇ジェフリー・ウォン先⽣ (⽶国サウスカロライナ医科⼤学教授 平成24年度東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター特任教授) 〇ダニエル・サルチェード先⽣ ⽇本⼤学医学部 医学教育企画・推進室 助⼿ |
日時 | 2013年1⽉22⽇(⽕) 18時00分〜19時30分 |
概要 | 医学⽣の能⼒評価は、かつては知識の獲得、特にMCQで評価可能な知識に⼒点が置かれていた。しかし近年、病歴と診察、臨床推論、患者医師間のコミュニケーションといった臨床スキルの評価モデルが進化し、それらは⽶国医師資格試験(USMLE)合格の必須項目となった。今回の講演では、USMLEを通じて⽶国の医師免許システムがどのように進化してきたかを述べる。そして、Step2-CSにおいて、教育目標、評価の目標、SPやシナリオの開発、実際の評価内容について概説する。さらに、サウスカロライナ医⼤ではどのように医学⽣を評価し、Step2-CSにどう関連づけてきたかを話し、⽇本でいま⾏われつつある医学教育改⾰が学習者の臨床能⼒評価や医学⽣の教育にどう影響するかについて議論を試みる。 |
資料 | ポスター、スライド(1)、スライド(2) 講演ビデオ |
第49回セミナー
テーマ | USMLE Step 2 CS – ⽶国医師国家試験での臨床スキル評価 |
講師 | Jeffrey Wong, MD, FACP (⽶国サウスカロライナ医科⼤学教授、平成24年度東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター特任教授) |
日時 | 2012年12⽉6⽇(⽊) 18時00分〜19時30分 |
概要 | サウスカロライナ医科⼤学(MUSC)は1824年に創⽴され,⽶国南部地域で最古,全⽶でも最も古い10の医学校の1つです.⻑い歴史と裏腹に,その教育は必ずしも時代の流れに適応してきたわけではありませんでした.しかし1990年以降,⼆⼈の医学部⻑が沈滞を打破し,2004年にWong教授が迎えられ21世紀のニーズに合致するようにカリキュラムや⼤学の⽂化全体を変える教育改⾰に着⼿しました.この講演では,MUSCが⾏ってきた組織変⾰について話します.特に,基本となる考え⽅や様々な苦難のプロセス,教育の⾰新的な取り組みの成果を紹介したいと思います.教育施設において全体的な改善を⾏おうという教育者に有⽤であればと願っています. |
資料 | ポスター、スライド 講演ビデオ |
第48回セミナー
テーマ | Adaptive Expertise in Medical Education |
講師 | Daniel R.Wolpaw, MD ⽶国 ケース・ウェスタン・リザーブ⼤学医学部 教授 2003年度東京⼤学医学教育国際協⼒研究センター 客員助教授 |
日時 | 2012年11⽉1⽇(⽊) 18時00分〜19時30分 |
概要 | Adaptive Expertise in Medical Education Cookeらは,adaptive expertise(適応的熟達)の概念について⽂献をレビューし,⽇常的熟達(routine expertise)は知識やスキルに加え,努⼒と経験によって得られた専門性だが,適応的熟達は問題解決の向上が特徴である.医学教育における,適応的熟達の明確化,教育,評価について取り上げてみたい. |
資料 | ポスター 講演ビデオ |
第47回セミナー
テーマ | 地域での多職種間連携教育(IPE)〜ごちゃまぜにすると楽しい、地域医療のウラ技〜 |
講師 | 吉村 学 (揖斐郡北⻄部地域医療センター センター⻑) |
日時 | 2012年9⽉18⽇(⽕) 18時00分〜19時30分 |
概要 | 従来よりチーム医療が重要と叫ばれてきたが、お互いの職種間の連携に関する教育は卒前・卒後教育とも⼗分になされてこなかった。地域医療機関及び地域に研修⽣が滞在しているときに、多職種の研修⽣や若⼿を⼀同に集めて「ごちゃまぜ」にする教育ワークショップを3年前から試験的に開始した。これまでに15回実施してその間、学⽣だけでなく現職やベテランを対象にしたり、被災地でも開催と試⾏錯誤を続けている。 今回、地域の中での多職種間連携教育(IPE)の試みを紹介し、⽂献的な考察を加えながら今後の可能性について議論したい。 |
資料 | ポスター、スライド 講演ビデオ |
第46回セミナー
テーマ | 学⽣のFitness to Practise(FTP)︓不祥事や健康問題とその結果 |
講師 | Tim David教授 (英国 マンチェスター⼤学 医学・⼈間科学部 学⽣FTP主任) |
日時 | 2012年7⽉25⽇(⽔) 18時00分〜19時30分 |
概要 | 英国では、医師がGMCの管理下にあるように、全ての医療専門職が各領域の審議会(council)に登録、管理されている。これらの審議会は、患者からの苦情に応じ、FTPの⼿順によって医療専門職への処分を考慮するシステムである。また、審議会は医療系学⽣の教育も⼤学の認証評価システムによって管理している。 学⽣の不祥事や健康問題は、⼤学のFTP委員会によって検討されるが、2011年には英国で11⼈の学⽣が放校処分となっている。問題には、犯罪、薬物濫⽤⼒、態度不良、試験での不正、詐欺、非倫理⾏為、健康上の理由が含まれる。今回の講演では、実例を⽤いて、経緯や結果を⽰したい。 |
資料 | ポスター、スライド |
第45回セミナー
テーマ | 医学教育の推進において学んだこと︓ RTTC での経験 |
講師 | Arie Rotem 先⽣(豪州ニューサウスウェールズ⼤学 名誉教授) |
日時 | 2012年6⽉13⽇(⽔) 18時00分〜19時30分 |
概要 | 1973年、WHO-RTTC(⻄ 太平洋地域教員研修センター)の創⽴に伴い、New South Wales⼤ はSchool of Medical Education(SME)を設⽴した。SMEは、Ken Cox、Arie Rotem両名 誉教授に率 いられ、医療者教育学修⼠課程で500⼈ 以上の卒業者を出すと共に、世界各国から3000⼈以上が国際機関主催のプログラムに出席 してきた。また、⽇本医学教育学会とは協⼒体制を築いてきた。RTTCは25年 の後に休⽌に⾄ったが、今回の講演ではRTTCが ⾏ってきた医学教育の変⾰を主導する機関としての役割についてお話ししたい。 |
資料 | ポスター、スライド 講演ビデオ |
第44回セミナー
テーマ | アウトカム基盤型教育―千葉⼤学の取り組み― |
講師 | ⽥邊政裕(千葉⼤学医学部附属病院総合医療教育研究研修センター⻑・医学教育研究室室⻑・教授) |
日時 | 2012年5⽉22⽇(⽕) 18時00分〜19時30分 |
概要 | 我が国では少⼦⾼齢化、⼤学全⼊時代を迎えて、卒業に際して学⼠⼒(学習アウトカム)を担保することを求める答申が中央教育審議会から2008年に出された。学習アウトカムを明確にして、それを確実に達成する教育(Outcome-based education, OBE)が我が国の⼤学教育、医学教育にも求められるようになった。教育の質を担保し、今⽇的な社会ニーズに応えられる医師の育成が喫緊の課題であり、我が国の医学教育も従来のタキソノミーに基づく伝統的医学教育からOBEへパラダイムシフトすべき状況にある。本講演では、最初にOBEについて概説し、千葉⼤学におけるOBEの取組みを具体的に紹介する。参加者とOBEについての認識を共有し、その普及を図りたい。 |
資料 | ポスター、スライド 講演ビデオ |