いずれも独立行政法人国際協力機構(JICA)事業を通じた調査、支援プロジェクトを展開しています。
【支援プロジェクト】
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- 一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト
- 保健セクター情報収集・確認調査
1. 一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト
(1)プロジェクトの背景
モンゴルは医療の地域格差が大きく同国保健セクターの課題となっている。モンゴル政府は、6年間の教育課程を終えた新卒医師に対して仮免許を付与し、地方の一次及び二次レベル医療施設での2年間の勤務を義務付けることで、地方における保健人材不足の解消に努めてきた。しかしながら、彼らは十分な卒後臨床研修を受けていないことから、患者が適切な診断を受けられないまま首都の三次医療施設に搬送されるケースが増加している。
(2)事業目的
ウランバートル保健省及び研修実施機関である保健開発センターの卒後研修運営能力の強化、一次及び二次レベル医療施設の医療従事者向け卒後研修の強化を図り、もって一次及び二次レベル医療施設の医療サービスの質の向上に寄与する。
(3)事業スケジュール:2015年5月~2020年5月
(4)我々の協力活動:
- 2017年11月29日~12月8日: 現地モニタリング調査に大西弘高講師がJICA短期専門家(医学教育)として参加した。
- 2018年1月29日~2月1日:大西弘高講師がJICA短期専門家(医学教育)として研修カリキュラム開発セミナーを開催した。モンゴル側参加者は、保健開発センター(CHD)、医科大学の関係者約30名。
- 2018年6月15日~8月1日:JICAと業務実施契約(単独型)を締結し、大西弘高講師が専門家として以下の業務を行った。
①モンゴル国内で行われている研修医評価法と総合診療研修カリキュラムの作成状況の確認。
②日本の研修カリキュラム及び研修医評価ツールの分析
③現地にて研修医評価ツール開発を行うワーキンググループの活動に参加し、研修医評価制度構築に関する提言
④指導医に対する研修評価法の指導
⑤研修医評価ツール及び研修カリキュラム評価マニュアル作成のための情報収集及び素案の作成支援
⑥研修医評価ツール素案の最終化と研修カリキュラム評価マニュアルの最終化支援
2. 保健セクター情報収集・確認調査
(1)調査の背景
モンゴル国政府は、保健医療を国家開発戦略の重点分野に位置付ける等重視しており、保健省は2015年までの国家公衆衛生政策、保健開発プログラムを作成し、JICAの協力のもと保健セクターマスタープランを策定した。同プランでは、保健医療サービス、医薬品供給、保健医療人材育成、保健財政管理の強化等が課題とされており、それらのために必要な取組みとして、県医療施設の強化、社会的弱者による保健医療サービスへのアクセス改善、基礎的医薬品へのアクセス強化、保健医療人材育成政策に基づいた人材管理の強化、卒前・卒後教育システムの改革、効率的かつ効果的な財政管理の強化、健康保険システムの強化等があげられている。
(2)調査の目的
保健セクター情報収集・確認調査 調査の目的 モンゴル国における保健医療、保健医療システム、保健医療関連政策及び他ドナーの支援状況を確認するとともに、今後の我が国の支援の方向を検討すること。
(3)現地調査
大西弘高講師が保健セクター分析専門家として2012年3 月19 日〜4 月11 日(24 日間)、5 月2 〜12 日(11 日間)、6 月18 〜27 日(10日間)の3 回渡航し、現地調査を行った。
(4)現地調査の内容